名前の通り、さもしい男だ

2012年05月31日

新機軸「見せパン」ならぬ「見せふん」侍推参 『クイーンズブレイドリベリオン』第09話感想


―――WORNING―――


この記事には『クイーンズブレイドリベリオン』第09話のネタバレがちょろっと含まれております。


クイーンズブレイドリベリオン 第09話02.jpg

もはや隠す気も無いふんどし丸出しの闘士『戦神の侍 イズミ』の登場。
パンツじゃないから恥しくないもんとは良くいったもので、ここまで見事にふんどしをさらけ出してもらうと、逆にいやらしくなくなるから不思議だ。
武者巫女トモエガイノスの闘士の格好はハレンチだと怒っていたが、ヒノモトの侍が全員こんな格好していたらハレンチどころの話じゃないな。
リベリオン公式で最後に登場した闘士なので、イラストストーリーでは一番出番の少なかった不遇なキャラクターといえる。
性格はともかく一人称がオレでは無くアタシになっているので、思った以上に女の子らしく可愛らしい感じになっていると思う。
寿美菜子嬢の演じるキャラクターはどれもこれも虐めたい感じになる左母二郎は変態だろうか。

クイーンズブレイドリベリオン 第09話04.jpg

イズミと同じく初登場の『幻影の戦士マリア』
前作の主人公(笑)『流浪の戦士レイナ』良く似ており、レイナの必殺技『ドラゴンテイル』も使えるという謎の闘士である。
彼女の正体については、誰だか知っているような気がするがやっぱり気のせいだったぜ、という態度を取らなければならないことになっている。

例えば、「まさかアンタ、あいつの正体を!教えなさいリスティ!」というエリナのセリフに「お前の姉ちゃんだよ・・・」と心の中で突っこみをいれつつ、
「幻影の戦士マリア・・・いったい何イナなんだ」
というのがこの世界でのお約束らしい。
なんで誰も彼もこんな訓練されたオーディエンスみたいなことやってるんだろうね。
そもそも正体を知ったからなんだっつーのという話なのだった。
呪いによって日中の大半を眠って過ごし、眠った状態で敵に襲われるのを避ける為に、いつの間にか姿を晦ますので「幻影の戦士」と呼ばれ出したらしい。
『幻影のミリア』とは意味合いが大違いな呼び名だと呆れるしかない。
一度眠ると何されても起きないらしいので、そこを野郎に見つかったりなんかすると・・・薄い本が分厚くなりそうだな。ジュルリ・・・。

クイーンズブレイドリベリオン 第09話00.jpg

そして無印クイーンズブレイドの登場人物『荒野の義賊リスティ』も虜囚状態で再登場。
前作でもそうだったが、毎度捕まっている様な気のするリスティ。
「みwなwぎwっwてwきwたwぜw」のセリフも相変わらずだが、義賊という割に義賊らしいことを一度もやっていない様に思えるのは気のせいだろうか。
美人ではあるが色気の無い上に口も悪い&The・ガッツ的ガテン系であるため残念なG美人である。
洗脳されると口数が無くなりボサボサの髪の毛も綺麗にセットされ、真美人に生まれ変わるので、もう一度洗脳されてくれないかな〜と密かに期待しているのだった。

クイーンズブレイドリベリオン 第09話03.jpg

今回はベルフェとドゴールが解き放たれハードなエロが展開されると期待していたのだが、思ったような展開にならず実に残念だったと言わざるを得ない。
人食いとかのエロが無い展開は出来る限り止めて欲しいなあ、アイリみたいに精気を吸い取るとかにしてくれたらエログロで良かったのに。
グッチョグッチョブチュブチュといった汁っこい展開の方が好みである。
やはりクイーンズブレイドは素直に下半身に直結した様な、お馬鹿な展開の方が単純に面白いと思うのだ。
最近は少しエロが大人しめなので、是非とも脳味噌が溶け落ちるほどのお馬鹿なはっちゃけぶりを披露して頂きたいところである。

クイーンズブレイドリベリオン 第09話01.jpg


さて、リベリオンも終盤へと入り、これで未登場のキャラクターも『神罰の執行者 ライラ』ひとりになった。
次回で全てのキャラクターが出揃うとしても、残りの話数からすると今期中の決着は難しそう
今のところ2期制作の話は聞かないが、無印クイーンズブレイドの様に2期編成にするつもりなら、全然出番のないターニャンサイニャン姉妹やブランウェン等の活躍も見てみたいものである。


第08話感想 ⇒第07話感想 ⇒第06話感想


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2012年05月30日

今夜は『イコノクラスト!』でも紹介しようか



※注意 長文なので結論だけ読みたい方は記事の一番最後を読んでもらえるといいのではないかと思う。


イコノクラスト 第10巻 内表紙.JPG


榊一郎のライトノベル『イコノクラスト』を御存知だろうか?
この作品は榊一郎の小説の中で最も暗い雰囲気を持つ作品だ。
スクラップド・プリンセス、ストレイトジャケット、まじしゃんず・あかでみい、神曲奏界ポリフェニカなどの彼の長編作品の多くがアニメ化されているが、イコノクラスト!は残念ながらアニメ化されなかった。
すでに完結した物語なので、この作品が未来にアニメ化されることは極めて稀だと思える。
もしかしたら現在連載中である『棺桶姫のチャイカ』の方がアニメ化される可能性が高いかもしれない。

物語の概要を説明すると、日本人の少年が救世主として異世界に召喚され、イコノクラストという巨大なロボットを操り敵と戦うという物語だ。
それ何ていうダンバインと言った君はバイストン・ウェル召喚決定だ。ミ・フェラリオを一匹差し上げよう。
異世界の聖機師物語と言った君にはコロを一匹差し上げよう。
イコノクラスト!はいわゆる異世界物と呼ばれるジャンルの作品である。

異世界物とはファンタジー作品の中でも、現実世界の人間が異世界に召喚されたり彷徨い込んだりして、勇者となって世界を救う為に戦ったり、魔王になって世界を救うために戦ったりする物語の略称である。
勇者でも魔王でも、なぜかしら世界を救うことになるのかは分からないが、この際どうでもいい。
現実世界では何も変えられない小物でも異世界に行くと世界を救えるという、夢見がちな若者にはもってこいな題材である。
海外でも古くから愛さているジャンルで、多くの作家が作品を発表してきた。
例えば「火星のプリンス」「ナルニア国物語」「はてしない物語」あたりは映画化されていて有名だろう。

イコノクラスト 第09巻 内表紙.JPG

日本でも人気のジャンルの為、アニメ化された作品だけでもかなりの数になる。
魔人英雄伝ワタル、ブレイブ・ストーリー、魔法騎士レイアース、ゼロの使い魔、十二国記、犬夜叉、MAZE☆爆熱時空、DOG DAYS、神秘の世界エルハザード、今日からマの付く自由業などなど。
正直枚挙に暇がないほどで、漫画や小説、ゲームまで合せればとんでもないほどの数になるだろう。
最近では強くなって再スタート的な異世界召喚作品まであるほどだ。
2012年の夏期放送予定の『はぐれ勇者の鬼畜美学』のことだけどね。
まあ実際には、逆輸入勇者物語なのだが。

少し話はそれるが、昔から異世界物が好まれる理由は何だろう。
現代の人間が、異なる文化に触れる姿を新鮮な気持ちで見守ることになる為だろうか。
左母二郎が思うに、異世界に紛れ込んだ主人公が、その世界の国、政治、文化、慣習、常識、軍隊、戦略、戦術、医療、技術等を自分の知識や経験によって変革を起こし、異世界のあり様に変化を促す様が、現状を打破したい読者にうけるのではないかと勝手に考えている。

左母二郎も異世界物は大好きだ。
やはり停滞した世界に風穴をあける物語は読んでいてスッキリするものだ。
別に異世界物に拘らず、こういった作品はチョイスして読んでいるが、異世界物の醍醐味は価値観の変革に留まらない。
やはり異世界物の醍醐味は「ハーレムが肯定される」ことではないだろうか。
エロゲーの世界にしかほぼ存在しない同時攻略が「一夫多妻」設定ひとつであっさり解決できるのだ。
気になるあの娘達の中からたった一人を選ばなくて済むどころか、全員に手を出しても良いのだ。
もう捨てられて悲しむ娘っ子を見ずに済む、まさにご都合主義的展開が完全肯定されるのが異世界物の強みといえるだろう。
なぜか異世界に跳んだ主人公達は自分の世界に帰る事を前提に行動するが、別に異世界に居ればいいじゃないと思ってしまう。
その世界に居た方が絶対待遇良いよね。
わざわざ窮屈になるために現代に帰るとか訳が分からないよ。

イコノクラスト 第02巻 内表紙.JPG

長々とどうでもいい事を書いてしまったが、これからアニメ化されそうな異世界物の漫画や小説が多くある中で、左母二郎がイコノクラスト!を薦めるのは何故かと言うと、イコノクラスト!が異世界召喚物には珍しいダークファンタジーだからである。
この作品はダークファンタジーらしいエグイ設定が遥かに多く、他の異世界物に比べて主人公に容赦無いところが魅力だ。
多大なネタバレになってしまうが、イコノクラスト!の魅力とどこら辺がえげつないか紹介してみたい。

〜あらすじ〜
その昔、創造神を弑逆しその罪で永遠に呪いを受けることになった異世界ソロンは、呪詛が生み出した神罰代行者<パニッシャー>により滅亡の危機に瀕していた。
パニッシャーとは神の影であり、摂理として人を滅ぼす権能を振るう神罰そのもので、決して人の敵う存在ではなかった。
秘密結社レネゲイドはもう一度神殺しを行う為、創造神の遺骸を使い擬神機イコノクラストを完成させる。
だが、神の因子を持つソロンの人間が神罰代行者に近づくと、体内に存在する神の因子の暴走によって即死してしまう為、操縦者として因子を持たない人間を用意する必要があった。
神によって創られたソロンの人間には、誰ひとり例外なく神の因子が存在する。
神の因子を持たない人間など、このソロン以外の世界にしか存在しないのだ。
そこで5人の姫巫女と60人の奇蹟師による大規模な召喚術が行われ「救世主」となるべき存在が召喚された。
主人公、香芝省吾と奇跡術の余波で召喚術に巻き込まれた従妹の勅使河原花梨である。
召喚によって呼び出された救世主はこれで4人目、すなわち第4世救世主の誕生であった。

という形で始まるのイコノクラスト!はダークファンタジーであっても、異世界物のお約束をしっかりと踏まえている。
「日本人の平凡な少年」が「救世主として召喚」され「美しいヒロインに囲まれ」つつ「主人公しか操縦できない巨人」を駆り「邪神と戦う」という王道のお約束だ。
だが、多くの異世界物にあるような王家や、善の組織に召喚されるのではなく、悪の秘密結社に召喚されるのがミソだろう。
ついでに敵は邪神ではなく、殺された本物の「創造神の影」なのだが。

主人公の香芝省吾は本当にただの少年であり、特別な力も特異な能力も特筆すべき特徴も異常な精神力も持ち合わせていない平凡な少年である。
巻き込まれ一緒に召喚されたしまった従妹の勅使河原花梨は美少女の上、天才的な知識とそれを生かせる思考回路の持ち主であるだけに、省吾の精神的な幼さ思考の単純さおめでたさには多くの読者が呆れることだと思う。
天才の従妹と比べて、遥かに劣っている自分に卑下し嫌気が差していた少年に、突如与えられた救世主という称号と美しい少女達。
そして自分だけが動かすことのできる巨大なロボット。
権力・暴力・女を一瞬で手に入れた者が有頂天にならないわけないのだ。
女性は特性上イコノクラストを操縦できず、自分を年下扱いする花梨への反発と優越感から、従妹の忠告に耳を貸さず救世主になることを承諾した少年に待っていたのは、地獄の様な戦いの日々だった。

イコノクラスト 第03巻 内表紙.JPG

主人公を召喚した秘密結社レネゲイドは神殺しの下手人が作った組織で、現在はその子孫である五氏族によって構成されている。
ソロン復権を画策する五氏族は今までにも召喚術を用いて「救世主」を召喚しており、省吾は4人目の救世主にあたる。
以前の召喚者は全員日本人であった為、救世主の補佐をする姫巫女は日本語を話すことが出来、省吾も彼女達からソロンの現状を説明されることになるのだが、初めは救世主という肩書きや美しい5人の姫巫女の献身により浮ついていた省吾も、徐々に組織の異常性に気付いていくことになる。

この秘密結社レネゲイドだが、秘密結社らしく色々とえげつないことを行っている。
非人道的な人体実験などは当たり前で、主人公の省吾も表面上は丁重に扱われるが実態はただのコマであり、イコノクラストを動かす為の部品扱いである。
省吾に伝えられる情報もフィルターのかかった真実から遠いものばかりだが、姫巫女以外と言葉が通じない省吾と花梨にはそれを精査する為の方法が無いのである。
歴代の救世主も、一代目は死亡二代目は逃走三代目は発狂と散々な有様で、彼らがどんな扱いを受けてきたのかが予想できるだろう。
上辺は丁重だが有無を言わさぬ出撃命令によって、省吾は徐々に精神の均衡を欠いていくことになる。
レネゲイド五氏族はパニッシャーの撃破をイコノクラストに任せ、ソロン全土を掌握する為の救助活動や難民への施しによる表の善意とは別に、敵対勢力への殲滅行動、情報統制の為の住民虐殺などを秘密裏に進めていく。
過酷な戦闘でPTSDを受けた省吾を無理やり戦場に出して発狂寸前まで酷使し、とうとうイコノクラストに搭乗することを拒んだ省吾に対し、花梨を人質に戦闘を強要するという手まで使うのだ。
救世主が使い物でなくなれば「やれやれ、手間暇かかるけどまた召喚すっか」てなノリである。

イコノクラスト 第04巻 内表紙.JPG

レネゲイドの暗い面ばかりでは気分も下がるので一応華やかなところも書いておこう。
イコノクラスト!には多くのヒロイン達が登場する。
画面が文章で埋め尽くされるのもあれなので、ところどころに挿入されているサムネ画像がヒロイン達だ。
レネゲイドを動かす5つの氏族からそれぞれ、容姿端麗で能力や知恵の際立った少女がひとりづつ選び出され、救世主の身辺警護と日常的な世話、イコノクラストを操縦する際の術的バックアップを行う役割を担っているのが、省吾をサポートする5人の姫巫女達であり、彼女達との精神的・肉体的な繋がりが主人公を救世主たる存在へと成長させる要因となっていく。
だが、美しい5人の姫巫女も各氏族が互いの氏族の抜け駆けを阻止する為に送り込まれた密偵であり、省吾を縛る鎖の役割を与えられた情婦となるべき娘達だった。
彼女達は五氏族にとっての権力争いの道具で、姫巫女と救世主が深い仲になれば権力争いをリードでき、他氏族を出し抜く事ができるため、積極的に省吾をたらしこむ様命令されている。
要するに中国がよく使うハニートラップってやつですわ。ほんまかなんわ。
初めは救世主様という肩書きだけで省吾に従っていた彼女達も、徐々に真の救世主へと成長し変わっていく彼にとり込まれていく事になる。

しかし、レネゲイド五氏族のエグイところはこれだけではない。
かつて神に仕えていた4人の奇蹟師と1人の剣舞師が五氏族の祖である。
彼らが神殺しを中途で失敗しソロンが神の呪いによって呪われた際、五氏族は世界中の者達からの批判と敵意を一身に受け世界の裏舞台へと隠れ住むことになった。
五氏族にとってソロンの民は、自分達を表舞台から追いやった馬鹿共の子孫であり、いずれ世界を支配した際の労働力程度にしか考えていない存在でしかない。
イコノクラストが苦戦し街に多くの被害が出た際は、イコノクラストの悪い噂が広がらないように生き残りを皆殺しにするなどはお手の物である。
またパニッシャーの殲滅は五氏族の宿願であるため、万が一の可能性を考え、救世主の身体がソロンの食物を摂取することで身体の構成成分が変化するのを抑える、すなわち神の因子を取り込まぬように、発狂死した3代目救世主の肉省吾の食事に使用しているなど、必死に戦っている省吾が知れば確実に正気を失う様な事を行っているのだ。

イコノクラスト 第05巻 内表紙.JPG

そして極めつけがレネゲイドが造り上げた最終兵器イコノクラストだろう。
棘の生えたビッグオーの様な外観をしている鉄の巨人で、内部に神の遺骸を内蔵している。
神の遺骸は5に切断されており、四肢と頭部の各パーツに埋め込まれ動力源として使用しされている。
なぜ神の遺骸が5つに別けられているのかというと、五氏族が遺骸を1つづつ管理し、他の氏族が力を持ちすぎない様に牽制し合う為である。
イコノクラストが進撃する際は、各氏族が所有している遺骸とイコノクラストの各部位を合体させる事で完全な形となり、遺骸の神力と蒸気機関によって稼働することができる様になる。

ただし神は常に身体の合一を望み、操縦者は神が復活するのを抑える楔の役割を担う事になる。
つまりイコノクラストの操縦者とは神の身体にとり付いた異物であり、憑依して身体を動かそうとする幽霊の様な存在といえる。
神と人間の精神のどちらが強力かなどは火を見るより明らかであり、姫巫女のサポートとはイコノクラストの挙動を安定させるばかりでなく神からの精神汚染を防ぐためのものでもある。
イコノクラストを駆る者は、神の如き全能感と神力を得るが、合一しようとする神の意識に精神を乗っ取られ発狂する危険性にさらされる。
祖先が弑逆した神の遺骸を平気で使用し、一歩間違ったら即発狂という悪趣味な決戦兵器を、平然と省吾に搭乗させるネレゲイドを悪の秘密結社と呼ばずして何と呼ぼうか。

イコノクラスト 第07巻 内表紙.JPG

そしてレネゲイド以上に神罰代行者パニッシャーがえぐい。
どうえげつないかというと、兎に角えげつないと言うしか言い様がない。
人を苦しめるだけに生まれたパニッシャーは、やることなすことの全てが人にとっての最悪の悪夢であり、絶対に手を出せない運命そのものだ。
世界に16体存在するパニッシャーは神の影そのもので、通常は1体づつしか活動せず、1体が活動している際他の個体は活動を休止している。
パニッシャーの役目は神が死の間際に望んだ無念や怒り恨みつらみを世界に体現すること。
要するに「人間を苦しみぬいてぶち殺す」事だけだ。

人々から原罪を忘れさせない様に気紛れに起動しては、毒で殺し疫病で殺し発狂させて殺し竜巻で殺し隕石で殺す。
感情はないが思考することができ、どうすればより人間が苦しみのたうち回って死ぬかを思考しているキルマシーンである。
ソロンの人間がパニッシャーに不用意に近づけば、体内の神の因子が暴走し液状に溶けて消滅してしまう為、ソロンの人間にとっては近づくこともできない死と等しい存在である。
永い間人間を苦しめることができる様に、人間の個体数が減り過ぎれば活動を休止し、人口が増えるのを待ってから活動を再開するのでソロンはなんとか滅亡を逃れているだけなのである。
パニッシャーは時折、受胎能力を持った魔法生物を生み出し人間を襲わせるのだが、この魔法生物、通称「落とし子」も人間の身体のパーツをバラバラにくっつけてこね回した様な生物であり「人間に不快感や恐怖・嫌悪を覚えさせる」フォルムに敢えて作るという徹底ぶりである。
落とし子は猿程の知能を持っており集団で人間を襲い、撃退され数が減れば逃げて機会を窺い、繁殖して数を増やしては人を襲うという厄介な生物であったりする。

常に学習し思考するパニッシャーは強敵であり、イコノクラストへのアプローチも接近戦、遠距離戦、搭乗者へのダイレクトアタック、精神への揺さぶり、本拠地への攻撃など実に多彩で、省吾はパニッシャーとの戦いでトラウマを植え付けられ発狂寸前まで精神を崩壊させられることになる。
パニッシャーのえげつない攻撃の例だが、イコノクラストと戦って勝てないと判断するや搭乗者の精神を揺さぶる為に、寄り切りでイコノクラストに人間をぷちぷち踏みつぶさせる
竜巻で人間を空中に吹き飛ばし、イコノクラストの身体に当てて人間雨を行う。高所から降って当たってぷちぷち潰される人体
パニッシャーは互いの思考が根底で繋がっており、効果的と判断した学習内容を他のパニッシャーへと伝えていく為、戦えば戦う程知識と経験を蓄えどんどん強化されてしまう。
省吾を追い詰める為にあの手この手で迫るパニッシャーには、えげつない敵という以外の言葉が見付らない存在である。

イコノクラスト 第06巻 内表紙.JPG

さて、パニッシャーだけでなく、ネレゲイドには他にも敵対する勢力がいくつか存在する。
エクノドラス真教会と呼ばれるソロンの治安を守る教会は、今の世界の原因となったネゲレイドを明確に敵としており、世界をパニッシャーから救おうとするイコノクラストをも敵視している。
このエクノドラス真教会はソロンの警察とも呼べる組織であり、思想的にはイカレているが世界の秩序が守られているのは教会の働きによるところが大きい。

ソロンにはこの世界特有の宗教が信仰されている。
神殺しの罪、それを止められなかった罪、人の中から裏切り者をだしてしまった罪、すなわち「原罪」を償う事が人の取るべき道と教え、パニッシャーの神罰を天命として受け入れ、神の裁断を甘受するべしというエクノドラス真教会の教えがそれである。
悪い事をしたのは人だからパニッシャーが来たら潔く殺されよう。それが赦しを得る事なのだからという考えであるのだが、500年間苛烈な神罰に苛まされ続けたソロンでは当然のようにこの狂った宗教が信仰されている。
もっとも人間ではパニッシャーには敵わないのだから当然だったのだろう。
エクノドラス真教会はパニッシャーを御尊影として祭っており、パニッシャーを滅ぼすイコノクラストを神の意に背く罪人として、神殺しの末裔であるレネゲイドを敵とし殲滅する為に活動している。
彼らの戦法は万歳アタック自爆テロであり、死を救いとする教えに恥じないイカレた戦いぶりをみせることとなる。

もうひとつの敵対勢力が血族と呼ばれている謎の集団である。
神の血族を名乗り、名の如く同じ血族によって組織された者達で、全員が優れた奇蹟術の行使者である。
普通の人間とはズレた価値観を持っており、道徳観念、死生観等は無いに等しく、血族以外の人間を虫けら以下の存在と考えている選民的思想を持った一族といえる。
彼らは同じ血族としか子供を作らず、彼らの究極の目的は世界に神を産みだすこと。
近親姦を繰り返し濃くなりすぎた血によって障害を持つ子供が多く生まれ、神を産み落とす能力が無い者、すなわち生殖能力が無い者はただちに処分されるという徹底的な目的意識を持った集団だ。
彼らは神の復活を望んでいるが故に、遺骸を隠し持つネレゲイドから神を奪取する機会を常に窺っている。

最後に奇蹟術についても少しだけ解説しておきたいと思う。
身も蓋も無いが奇蹟術は魔法だ。
異世界ソロンでは科学技術よりも魔法と呼ばれる力が発達しており、それが奇蹟術と呼ばれている。
奇蹟とはかつて創造神が行使した万物を従わせる力のことで、聖遺物とよばれる触媒を仕込んだ擬神杖と呼ばれる杖を用いて行うのだが、この擬神杖が無ければ人は奇蹟術を使う事が出来ない。
聖遺物とは神の髪の毛や皮膚、血、内蔵、老廃物といった神の身体の一部分のことで「私は神様、世界よ私の言う通りになれ」と神を騙り理を捻じ曲げ世界を改変するわけだ。
擬神杖の触媒に埋め込まれた遺骸が大きければ大きい程、強い奇蹟の力を行使することができ、イコノクラストは正確にはロボットではなく神の身体を丸ごと使った巨大な擬神杖なのである。

イコノクラスト 第08巻 内表紙.JPG

この様に敵も味方も世界もえげつないイコノクラスト!、これでもまだ全然説明できていない暗い設定が沢山あるのだが、これ以上は読む必要が無くなるほどのネタバレになるので自重したい。
本作は異世界召喚物語としての王道を踏まえながら、覇道を突き進んだ作品だ。
話の筋道はあえて書かなかったが、上記の要素が上手く絡みあって他の異世界物とは一線を画した物語になっている。
従妹を人質に取られ孤立無援の中、17歳の省吾が縁も所縁もないソロンを救うために血反吐を吐き、正気を失いながらも戦う様は涙を誘わずにはいられない。
この悲惨な物語の何が面白いのか。
それはやはり主人公香芝省吾の成長だろう。
平凡な少年が自分の認識の甘さを知った時、頼みの従妹はすでにおらず、救世主ともてはやされていた自分はイコノクラストを動かすだけの駒でしかなかったことを理解する。
絶望的な状況の中、パニッシャーと戦い続け不可能を覆していく省吾の成長こそがイコノクラスト!の最大の魅力である。
初めは与し易しとレネゲイドの首領達に侮られていた少年が、秘密裏に言葉を覚え剣を習い姫巫女達を味方につけ徐々にレネゲイドを掌握していく様は見ていて気持ちが良い。
省吾が最後の戦いの中で叫ぶ
「俺が―――どんな目に遭ってきたと思う?どうな風に裏切られてきたと思う?俺が何度死にたいと思ったと思う?俺が何度絶望したと思う?俺が―――今まで何も考えずに救世主をしていたとでも、思っていたのか?」
「それで世界が救えるなら人肉だって糞だって喰ってやるさ。それがどうした。その程度のことも出来ないで、世界なんてものを変えられると、俺が、身の程知らずに自惚れていたとでも?なめんな、権力者!」
この叫びにイコノクラスト!という作品の苛烈さ、無慈悲さ、えげつなさ、そして省吾の成長の軌跡全てが集約されていると思う。
だが、イコノクラスト!は暗く悲惨なだけの作品では無い
悲惨な展開も、目を覆うよな惨劇も陰謀も裏切りも絶望も多々あるが、それ以上に爽快感と感動のある物語だ。
人も殺さず、腑抜けた綺麗事をいうだけの英雄譚に飽きているなら、是非ともイコノクラスト!を手にとって欲しい。
単純でお人好しで甘ちゃんだった少年が、人々を救う為に自分の手を汚し、裏切られ、絶望し、逃げ出しながらも踏み止まり、真の救世主たらんともがき続ける物語を是非読んでもらいたい。



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posted by 左母二郎 at 23:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説/ラノベ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月29日

最近、俺の出番全然ないんだけど・・・ by ゲパルト『アクエリオンEVOL』第22話感想


―――WORNING―――


この記事には『アクエリオンEVOL』第22話のネタバレが含まれております。



アクエリオンEVOL 第22話02.jpg

ゲパルト「(´・ω・`) 最近出番がなくてさ」
スパーダ「( ´,_ゝ`)それって負けないってことだから良い事なんじゃね?ハハハッ」
ゲパルト「( ゚д゚ )  ・・・・・・は?」
スパーダ「( ´,_ゝ`)お前って存在が負けフラグじゃん」
ゲパルト「(#^ω^) ・・・表出ろや」


MIXを連れ去られてからゲパルトの出番がない代わりに、ここ3週間のスパーダの連続出場ぷりが凄い。
それだけ最近はシュレードの出番が多いという事なのだろう。
乗ったら死ぬ、力を使ったら死ぬと言われ続けながら実にしぶといシュレード。
彼は本当に死にませんな。
伊達に国際A級死ぬ死ぬ詐欺ライセンスを持っているだけのことはある。

アクエリオンEVOL 第22話01.jpg

前回の感想でシュレードもとうとう年貢の納め時かと書いたのだが、納め時?何それ美味いの?といわんばかりの華麗な回避っぷり
これでもかと立ててきたフラグの数々を、空気読まずの完全回避。
シュレードったらどんだけ逞しいの。
結局バイタルレベルが極限状態とか言われながらも生き延びました。

今回も、蝶がポトリ、意味深に血を吐く、クレアと生還の約束、というサザエさんも吃驚な3本立ての死亡フラグをきっちりと立てつつ次元ゲートへ突入するなど、
またしても死ねる準備万端である。
はたして無事に?フラグが回収されることはあるのか。
なんだかんだ言いつつ最後まで生きていそうなシュレードのタフネスが怖い。

アクエリオンEVOL 第22話00.jpg

スパーダとケルビム兵との戦闘をよそに、お互いを相容れない存在として闘いを続けるアマタとカグラ。
殺し合っている割には呑気な殴り合いで緊張感はゼロである。
今となっては何でミコノなんかを獲り合ってるのか理解できない。
悪いことはいわへん。違う子にしとこ?な?おっちゃんがええ子紹介したるさかい。
左母二郎がモロイなら絶対そう言ってる。

「痴話喧嘩は犬も食わぬ!」
不動に言わせれば痴話喧嘩らしいが、睦み合う男女の喧嘩が痴話喧嘩なのであって、いがみ合う野郎同士の喧嘩は痴話喧嘩とは言わないと思います。
毎度毎度不動ZENは何を言わんとしているのか理解に悩む。
解る様な解らん様な不思議理論のおかげで脳内は???状態である。
こちらの読解力が低すぎるのか、それとも本人が既にキティなのか、不動ZENは視聴者に優しくないオヤジである。

アクエリオンEVOL 第22話03.jpg

それにしても子供を二つに分けて、片方の記憶を奪った上に育てるミカゲの何とゲスいこと。
しかも獣さながらのパッパラパーに育てるとか、どんな教育を施しとんじゃい。
教育委員会とPTAが黙っておらんぞ。
途中で育児に飽きてネグレクト状態だったと思われるが、ホモに育たなかっただけマシかもしれない。

アマタとカグラ、強制的に分かたれてしまったこの二人の存在が、もう一度ひとつに戻ることができるのか、それとも戻る事はできないのか中々に興味深い。
左母二郎的には合体してアマグラになってくれた方が面白いかな。
繋げる力を持つミコノの能力であれば、二人をひとつの存在へ戻す事が可能かもしれない。
正直、ヒロインというだけで役に立たず、存在意義の乏しいミコノの真価が問われるのは二人をフュージョンさせるくらいだと思うのだが。


第21話感想 ⇒第20話感想 ⇒第19話感想



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posted by 左母二郎 at 23:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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